陰陽五行(いんようごぎょう)説

 
cf. 二元論の宇宙観で、陽は日・春・南・昼・男・君・上、陰は月・秋・北・夜・女・

  臣・下。また五行の木・火は陽で色は青色・赤色、土は中間で黄色、金・水は陰で白

  色・黒色とされる。

   秦の始皇帝は「五行相剋(相勝)」の考え(火<赤>→水<黒>→土<黄>→木<青>

  →金<白>)で、土徳(黄帝)→木徳(夏)→金徳(殷)→火徳(周)の次の秦は水徳(水は

  火に剋つ)の王朝とした。水が「冬の季節・黒色・六」に当たることから、冬の始まる10月

  1日を元旦とし、衣服や旗を黒色とし、馬車は馬六頭で引かせるなどした。郡を6の二乗の

  36郡としたのもここから。

   漢は「五行相生」の考え(木<青>→火<赤>→土<黄>→金<白>→水<黒>)

  で、武帝の儒学の官学化により秦を正統王朝としては省くために、直接周の木徳を受

  け継ぐ火徳の王朝とした。

   「五行相剋(相勝)」は放伐(徳のない君主を討伐すること)に、「五行相生」は禅譲

  (君主が有徳者に位を譲ること)に対応する。